倶利加羅不動寺
強巴林
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TOP> 瑞堂のちょっとコラム│命を取るおかげチベットに古き良き日本を見た

瑞堂のちょっとコラム

■命を取るおかげ
命を取るおかげ  当寺のご本尊「倶利迦羅不動明王」は、
多くの「おかげ」をくださる仏として信者さんから絶大な信仰を集めている。
「おかげ」とは、云うまでもなくご利益のこと。
 殆どの参拝者は、
特に自分へのご利益を期待して仏の前で手を合わせるのだが、
中には人の為に一生懸命祈る方も、また多くいらっしゃる。

 ある時、山中 誠という31歳の男性が従兄弟の命を助けたいと
お寺に相談にみえた。
 話しを聞いてみると、従兄弟は約半年前に突然発症した骨髄ガンとの
闘病生活を続けている。先日医者から、後1〜2週間の命と診断され、
何とか助けられないのかと何ヶ所も神社やお寺参りをしているのだという。
そんな中での当寺への参拝だったのだ。

 ご存知の方も多いと思うが倶利迦羅不動明王へは、
命乞いでお参りされる方も結構多い。
その場合般若心経の千巻経か単独での護摩祈祷をお願いされるのだが、
より結果が出るのは千巻経だ。

 山中 誠さんの場合は、幾つかの事情で護摩祈祷となった。
導師はもちろん森下ご住職である。
 私がいうのも何だがご住職のお護摩はすごい!
何がすごいかと云うと、いわば「おかげ」の確率とでも言おうか、
祈願者の願いをご本尊へ通してくれる力が絶大なのだ。
 山中さんの従兄弟は、すでに半年も苦しみ続けているし
ガンの種類からして、どんなご祈祷をしても
助かる確率は非常に低いのではと思われた。
毎日々想像を絶する激痛に耐えながらの闘病生活は、察するに余りある。
山中さんは、一日も早く、彼を苦しみから救ってほしいと、
護摩祈祷で祈願を掛けた。

 ご祈祷の始まりを知らせる鐘の音が、カンカンカンと境内に響き渡る。

 およそ一時間、少し疲れた様子で終って戻られたご住職に、
そっと感触を訊ねると
「途中でお護摩の火が二度も消えたので助かるのは難しいかな・・・!」
との印象たっだというのだ。
山中さんにはその辺の説明をご住職が直接して帰っていただいたのだが、
次の日、従兄弟が亡くなったと電話で彼から聞かされた。
山中さんは「一日も早く、彼を苦しみから救ってほしい」と祈願かけたのだが、
お不動さんはこういうカタチで彼を楽にしてあげたのだ、
こういう計らいもあるのだ、そしてこんな「おかげ」もあるのだなぁと
改めて当寺のご本尊の慈悲深さを実感したのだった。

瑞堂